当院では、疾患の正確な診断と治療を行うため、さまざまな検査機器を活用しています。その中でもCT検査は、身体の内部構造を詳細に把握することができる重要な検査です。当院が導入している、低被爆で安全性が高い「コーンビームCT検査」について紹介します。
CT検査とは
CT検査(コンピュータ断層撮影)は、X線を用いて体の断面画像を撮影する検査で、レントゲンや内視鏡検査とは異なり、患部を三次元的に捉えられる点が特徴です。
従来のレントゲンでは把握しにくい骨や軟部組織の詳細な状態を確認できます。当院では副鼻腔の異常を確認するために使用しています。通常の診察や内視鏡ではわからない隠れた副鼻腔炎(蓄膿症)を探し出す事が可能です。
コーンビームCT検査の特徴
コーンビームCT(Cone Beam CT)は、円錐形のX線を使用して撮影を行うCT検査の一種です。
次のような特徴があります。
- 低被爆性:通常のCT検査と比較して放射線量が抑えられているため、身体への負担が少なく、安全性が高いとされています。特に小児の方にも安心してご利用いただけます。
- 高精度な画像:骨や軟部組織の細部まで明確に映し出すため、微細な異常の発見に役立ちます。
- 短時間の検査:撮影が短時間で完了するため、患者さんの負担が少ない点も利点です。

コーンビームCT検査の活用
当院では、診断精度を向上させるためにコーンビームCTを導入しています。特に副鼻腔炎の治療において、地域の基幹病院や大学病院でCTによる診断が主流となっていることを背景に、当院でも同等の診断が可能な環境を整えました。これにより、患者さんに高品質な医療を提供できるようになっています。
副鼻腔炎には、原因によっていくつかの種類があり、その種類に応じた最適な治療を行うことが重要です。コーンビームCTは、こうした詳細な診断を可能にし、適切な治療選択に大きく貢献しています。
検査の流れと準備
コーンビームCT検査の流れは次の通りです。
- 準備:検査前に特別な準備は必要ありません。
- 結果の確認:撮影後、医師が画像を確認し、必要に応じて診断を進めます。
検査は痛みを伴わず、身体への負担が少ないため、小児や高齢者を含め、ほとんどの方が安心して受けていただけます。
費用と保険適用について
コーンビームCT検査は、通常健康保険が適用されます。適用される場合、自己負担額は3割負担で3,000円程度です。ただし、詳細な費用については診療内容や保険の適用条件により異なるため、事前にお問い合わせください。
よくある質問
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低被爆といいますが、どれくらい安全ですか?
当院で採用しているコーンビームCTは被爆量が極端に少なく、耳鼻科領域の撮影に特化しているのが特徴です。
当院のCT検査1回の被爆量は、0.04~0.09ミリシーベルトです。
頭部を撮影する通常のヘリカルCTの被ばく線量は1.8~3ミリシーベルトですので、30分の1程の被爆量です。
また、頭部正面の単純レントゲン1枚で0.12mSvですので、単純レントゲン写真よりも被曝が少ない事がわかります。
また、飛行機で東京-ニューヨーク間を1往復した際の宇宙線による被曝が約0.2ミリシーベルトとされています。 -
CT検査は痛いですか?
いいえ、検査は痛みを伴いません。座っているだけで完了しますので、ご安心ください。
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内視鏡検査とどちらが適していますか?
診断の目的によって異なります。内視鏡は直接的な観察に適しており、コーンビームCTは患部の構造を三次元的に把握するのに適しています。医師が適切な検査を選択いたします。
まとめ
コーンビームCT検査は、低被爆で安全性が高く、疾患の診断において非常に有用な検査です。当院では、副鼻腔炎をはじめとするさまざまな疾患に対応し、患者さんの負担を最小限に抑えながら、より正確な診断を目指しています。気になる症状がある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。